「K-17.22には抗肝臓線維化作用があるか?ラットをモデルとした免疫組織化学的解析による実験的研究」

F Marotta Y Rahman-Shield E Minelli A HelmyE Oliva P Safran原田雅義(東明会原田病院)
2002/11/14〜15

慢性肝疾患における肝線維化は単なる線維成分の過剰沈着ではなく、肝細胞の基質分子のタイプの変化を 意味するものである。抗線維化剤の開発における問題点は、治験での使用時の毒性と治療効果である。本研究の目的は、強力な抗酸化作用のみならずC型肝炎患 者のGPTの血中濃度を顕著に低下させることが報告された新しい天然化合物を肝線維症動物モデルで試験することである。


SDラット120匹を2群に分け、A群は線維症モデル(0.2mg/kg CCL4、腹腔内投与、2回/週)、B群は同様のモデルとし、K-17.22(協通、東京)50mg/kgを添加した食餌を与えた。一方、正常ラットを対 照群とした。屠殺後直ちに肝臓を摘出し、一般組織検査、水酸化プロリン測定、活性化クッパー細胞の免疫組織化学的解析ならびに組織阻害メタルプロティナー ゼ(TIMP-1)およびα2-プロコラーゲンmRNAのノーザンブロット分析の検体として使用した。血液一般生化学的指標、タイプWコラーゲン7Sおよ びヒアルロン酸も測定した。血清タイプWコラーゲン7Sレベルは肝線維化により影響を受けなかったが、ヒアルロン酸の濃度はA群において20倍以上上昇 (p<0.001)した。

しかし、こうした現象は、K-17.22投与により完全に(A群に対しp<0.001)予防することができた。それ に対応して、A群において上昇(正常対照群に対しp<0.001)したGOT、GPTおよびビリルリンの血中濃度もB群においては有意(A群に対し p<0.05)に改善された。

A群では水酸化プロリン含量は増加(1190±205対343±61、対照群に対しp<0.001)したが、K -17.22を同時投与したB群では有意(A群に対しp<0.05)に低値を示した。A群における肝臓の組織学的検査では、肝細胞におけるび慢性脂 肪沈着、門脈領域周辺の線維束の延伸を伴う門脈周囲線維化およびいくつかの門脈間架橋の典型的な像が観察された。

B群ではこうした形態学的特徴は明らかに 少なかった。K-17.22は活性化クッパー細胞の数およびTIMP-1とα2-プロコラーゲンmRNAの発現とそのデンシトメトリック法による測定値を 有意(p<0.05)に低下させた。


これらのデータは本研究で用いた新規薬草療法剤K-17.22が強力な抗線維化作用を示すことを示唆するものであり、その臨床上での可能性を確証する為の更なる研究が待たれる。

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