数多くの毒素、薬剤、肝臓のウィルス感染がDNA合成の異常をもたらすことが示唆されている。そのよ うなDNAの損傷はまた肝傷害後の回復期での修復機構においても極めて重要である。本研究の目的は、医療現場でC型肝炎に使用され、また我々が先の実験的 研究で好成績を得た薬草療法剤K-17.22が、肝DNA合成活性のみならず、血漿ならびに肝組織中の肝毒性指標に何らかの有益な効果を示すか否かを調べ ることである。
ウィスター系ラット72匹を無作為的に2群に分け、A群は標準食餌で、B群はK-17.22(50mg/kg/day)を添加した標準食餌で2週間飼育し た。その後、α-ナフチルイソチオシアネ−ト(ANIT)を与えて肝傷害モデルラットとした。別に正常ラットを対照群とした。1週間観察後、血液を採取 し、一般化学検査、脂質過酸化酵素(LPO)活性およびマロンジアルデヒド(MDA)の測定を行った。ラットは屠殺後すみやかに肝臓を摘出、組織検体は、 放射活性測定法によるGSH、GSSGならびにGSH-PXおよびDNA合成能の測定に供した。
A群ラットは、対照群に比し、有意(p<0.001)に高いGOT、GPT、ALP、T、ビリルビン、LPO、MDA値を示した。B群では、これら の全ての値は、なお異常値ではあったが、A群に比し有意(p<0.05)に低下した。そこで、A群にK-17.22の水溶液を与えると、GOT、 GPTおよびALPのin vitro放出が有意(p<0.05)に低下した。ANITは肝切片でDNA合成を約50%低下(p<0.01)させたが、K-17.22は この効果を実質的に防いだ(A群に対しp<0.01)。さらにGSHの肝組織内濃度は、A群ではGSSGの低下に伴い有意(対照群に対しp< 0.01)に低下した。しかし、こうした効果は、K-17.22同時投与により防ぐことができた(A群に対しp<0.05)。
これらの予備的データはK-17.22が実際、肝毒性モデルにおいて顕著な保護効果を示すことを示唆するものであった。ANITの有害機構が、好中球性脂 質の過酸化反応であるとすれば、これらのデータは、特に肝細胞のトランスフォーメーションという点から見て、C型肝炎の統合的治療に有望な手段を提案する ものである。