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活性酸素が身体で増加するとどの様な害が起きるのか

先ず、体の中で増加した活性酸素は、直接身体の組織や細胞を破壊するか(この場合活性酸素自身が作用する場合は非常に強力な作用を発揮しますが、短期間でその作用はおさまります。)、あるいは活性酸素が身体のなかの細胞や器官のなかにある脂肪と反応して、過酸化脂質という脂肪の一種を作ります。この過酸化脂質は活性酸素より作用はずっと弱いが、ずっと長期間からだの内部に存続し、有害な作用を発揮し続けます。
 
成人病のなかで最も多い脳卒中(中風)や心筋梗塞は、脳や心臓の血管に過酸化脂質が付着して血管の弾力を失わせたり、血液の流れを妨げたりしたことが原因で発生します。もちろん、脳卒中や心筋梗塞の初期症状である一般の動脈硬化も過酸化脂質の血管付着で発生するのです。
 
アトピー性皮膚炎は過酸化脂質が皮膚の角層に付着し皮膚細胞を徐々に破壊しバリア機能が低下し、刺激やアレルギーに過敏になり皮膚炎を起こしているのです。
 
また、人類の最も恐れるガンは活性酸素の増加が身体で持続し慢性の刺激を細胞に与え、かつ増加した活性酸素が細胞の核のDNAの遺伝子に傷をつけ、正常な人間の遺伝子に異変を与えることが原因で発生すると言われています。
 
更に、老化が原因と見られる老人性白内障は、瞳孔の部位にあたるレンズの内側に増加した過酸化脂質が付着するため発生する病気です。
 
糖尿病も最近では、活性酸素が膵臓のβ-細胞を破壊させて発生しているのではないかという疑いが持たれています。
 
また、皮膚科の医師が治療に手こずっている、しみ・そばかすもタンパク質の成分である必須アミノ酸のうちのチロシンが活性酸素によりドーバー、キノンを経てインドールが作られ、このインドールが重合しメラニン色素を形成することが原因であることが分かってきました。